2019年を振り返って ~もう一つの私~

2019年を振り返って ~もう一つの私~


2019年は不思議な年で、
2018年の続きを生きている感覚を、
いつも感じていた。

前回の記事で書いたように、
2019年は、どれだけ現実に向き合えるか、受け入れるか、を問われた年だった。


だけれども
不思議なことに、
私の現実を知らない人たちに
温かく迎えられたり、
人の持つ、その熱い情熱を
私に捧げてくださったりと、
何か「ギフト」を受け取った年でもあった。

男性の方も、女性の方も、
何かタイミングを合わせたかのように、
心をふんわりさせてくれる特別なギフトをくださった。


それは
2019年が始まると同時にゆっくりと
私の日常に現れていた。


~  ~ ~

寒い冬の夕方
考えことをしながら、ふと、
一杯のコーヒーが飲みたいと思い、
いつものガラス張りの綺麗な扉を開けて入った私。

その時の私は、
頭が痛くなるような話を聞いた後の私だったはず。。
コーヒーのオーダーをした。

その時
「いつもありがとうございます。」という
一言が私の中に入ってきた。
間接照明の薄暗さが、
目の前の青年のキリッとした目鼻立ちをくっきりと浮かび上がらせた。

彼は笑顔で私の瞳を覗いて、
ゆっくりその一言を言った。

それは、
私という存在を確実に認識し、
その言葉を発したと私は確信した。

私より若い青年だった。
きっとまだ学生だろう。
深いブラウン色の短髪のヘア。
太陽の日差しを浴びて焼けた浅黒い肌。
笑うと太陽のような明るさを放つ。
私は、活発な青年だと感じた。

私はといえば、
その時まで、彼の存在に気づいていなかった。

それ以来そこに行く度、
彼は私の存在に気づくと、
オーダーを取れるように、声を掛けれるように、と配置していた。
そんな彼は可愛い青年だった。

ある時、
スペシャルコーヒーをお願いした。
柑橘系のフルーティな味が好きな私に
ぴったりの一品を一緒に探してくれた。

嬉しそうにコーヒーを作りに行った彼。
出来立てのコーヒーを私の元に運んでくださり、
彼は自信満々に、
そのコーヒーの風味についてや、
自分の好みも嬉しそうに話してくれた。
長期休暇に海外の色んな国を訪ねたことも、
瞳をキラキラさせて語ってくれた。

その時間は、
私にとってもキラキラとした純粋な時間だった。

そんな青年とのお別れの時。
彼は大学を卒業し、
新たな新天地に向かったのだ。

お別れの前、最後にお会いした時の、
その凛とした瞳で、
誠実な思いを込めて発する
彼の一言、一言が、
最後まで私の心をじんわり暖めてくれた。

その時の一瞬一瞬は、
まるで淹れたてのスペシャルコーヒーのようだった。


そんな彼は新たな環境で、
活発に毎日を過ごしていることだろう。
その暖かく心のこもったギフトをありがとう。



~ ~ ~

3月を迎えた頃。
「おはようございます。プリンセスさん!」

透き通った響く声と笑顔で迎えてくれた彼女。

彼女は、
キリッとした、しっかりとした意思をもつ女性。
若干20歳とは思えない位、
真っ直ぐな芯を持った女性。
艶のある黒髪のショートヘア。
斜めに流した前髪。

彼女に会った時は
私も元気をもらう、大好きな人。

大学に通いながら、ここで働く彼女。
彼女の機敏な動き。
的確にしっかりと後輩を指導する彼女。
20代の社会人に勝る勢いで、
仕事をする彼女。
そう、真面目な彼女。

そんなある時、
「良かったら、少しお話しても良いですか」
と、彼女からお声がかかった。

私は、笑顔で
「もちろん」と答えた。

彼女は今後の進路について、悩んでいた。

好きなことをする方面に進むか、
会社に入る方面に進むか、
どちらにするか。 

どちらの方面にしても
彼女は、自分が何をしたいかは、既にはっきりと決まっていた。

私は答えた。
「今の自分がやりたいと思う方向に進むのが良いんじゃないかな。」
「自分の気持ちや想いに素直になって決めたらいいんだよ。」

彼女なら、
どちらの方面に進んだとしても
確実に芯を持って、毎日を生きているだろう。

たとえ、道を間違ったとしても
彼女は、新たな道を切り開く意思をすでに持ち合わせている。

そう彼女には、
なぜか他の同世代には持ち合わせていない、
エネルギッシュさと、強い信念を感じる。

話し終えた後
「また一緒に話したいです」と一言、嬉しいギフトをもらった。

そんな彼女は、
私の好きな人なのです。
いつもありがとう。



~ ~ ~

夏らしさいっぱいの7月。

私の大切な仕事のパートナーが、
新たに宿った、
その新しい命を大切にし、
この世界に生まれるまでの時間を、
赤ちゃんと一緒に過ごしたいという
意思のもと、仕事を離れることになった。


彼女との出会いは2017年。

モデルのように美しい人。

初めて会った瞬間に
「綺麗な人」と思った。


それから半年後には、
彼女と一緒に働いていた。

彼女のその綺麗な心と慈悲溢れる笑顔に
魅了される方も多かった。

ユーモアもある彼女とする仕事は、
楽しかった。

配慮や気遣いも、
大人の女性を感じさせる美しさだった。

私の身に起こった苦しい現実に
悩んでいた私を
そっと見守ってくださった唯一の人。

私の好きな大人の女性。
彼女は美しい心の持ち主。

そんな彼女と仕事をする最終日。
優しい瞳で彼女は柔らかくいった。
「私は貴方と一緒に働けて本当に良かった」
「またいつか貴方と働きたい」
「この新しい命生まれたら、貴方に抱いて欲しい」

そのひとつひとつの言葉は、
凍りついていた私の心を
ゆっくり じんわり と溶かした。
それは、やがて水となり、
美しい海に戻っていった。

美しい彼女。
素敵な時間とギフトをありがとう。




~ ~ ~

春~夏にかけて
数回私のもとへ、
駆けつけてくれた人がいた。

若く素直な青年だった。

彼は、最初に
「私は貴方と働きたいです。」と
伝えに来てくれた。

電車に乗ってここまで来てくれた。
彼の情熱的で優しい姿に心がじんわり暖まった瞬間だった。

そんな彼は、
その後も数回訪ねてきてくれた。
毎回訪ねてくれては、楽しく話をして
静かに帰っていった青年。

訪ねて来てた理由を、彼は言わなかった。
私も聞かなかった。

だけど、
私は気づいていた。
彼が駆けつけてきてくれた本当の理由を。


毎回、私が落ち込んでいるんじゃないかな、
というタイミングで、彼は訪ねて来た。

そんな優しい彼の一面に触れ、
きっと素敵な男性に成長するだろうなと思った。

若い青年。
そんな彼の、その行動力が嬉しかったな。



~ ~ ~

2019年も残り数時間。
12月31日は
朝から夜まで、働き続けた。

年明けの準備が終わったところで帰路についた。

疲れが積み重なっていたのは自覚していた。

23時、最寄りのスーパーはまだ開いていた。

大みそかていう日も、
こうやって通常営業してくれてるのが、
わたしの心にしみた。

年越しに必要なものをピックアップして
レジでお会計をした。

いつもの50代位の女性の方が会計をしてくれた。

なんだろう。
ふと急に、当たり前は当たり前じゃない、
特別なものなんだなっと思い、
目尻に涙が浮かんだ。

いつもの笑顔で
大みそかの夜遅くに会計してくださった彼女に、
1年分の感謝を込めて、
「ありがとう」を伝えた。


お店を出て
家に着くまでの道のり。
夜空を見上げた。
涙がたくさん溢れてとまらなかった。


「2019年ありがとう」


こうして、
沢山の方々から
大切なギフトをいただいた2019年。


その沢山の愛に触れ、
愛に包まれた年だった。




















地中海のプリンセス

「31歳からのプリンセスって素敵ね」 艶ある大人が しっとり きらきら わたしらしく生きていく中で 感じることを表現。 わたしの中にある たくさんの感情の窓に 触れてみてください。

0コメント

  • 1000 / 1000